2022年5月26日(木)「出島・旧長崎英国領事館」!

前日に続き、現地調査の概要を掲載する。先ずは、国指定史跡「出島」は、1636年(寛永13)ポルトガル人によるキリスト教の布教を禁止するために、江戸幕府は岬の突端に人工の島を築き、ポルトガル人を収容した。この島が出島で、1641年(寛永18)平戸のオランダ商館が出島に移転、それ以来1859年(安政6)に出島和蘭商館が廃止されるまでの218年もの間、日本の近代化に大きな役割を果たした。現在、出島復元整備事業が進み、2000年に「ヘトル部屋」をはじめとした5棟が完成、2006年には「カピタン部屋」「乙名部屋」「拝礼筆者蘭人部屋」「三番蔵」「水門」の5棟が完成し、往時の姿を取り戻そうとしている。今後、二番蔵、三番蔵、旧出島神学校等の改修が計画されている。利用者の推移は、平成30年度約53万人、令和3年度はコロナのため半減したが、昨年の秋以降、修学旅行が復活しピーク時の4割に戻りつつある。

次に、重要文化財「旧長崎英国領事館」は、1908年(明治41)の建設以来、当初からの本館・附属屋・職員住宅をはじめ、門・塀にいたるまで敷地全体にわたって往時の姿が保たれている。また、明治後半期の洋風建築として造形・意匠の面からも、歴史的並びに景観上貴重であるばかりでなく、近代日本外交史の一端を示す資料としても価値が高く、重要文化財となっている。現在、平成27年度から令和7年度にかけて、保存修理、耐震補強工事、防災施設整備(各種センサー、屋外・屋内消火設備、防火水槽など)、活用施設整備(エレベーター、通路屋根、屋外便所、空調設備ほか)が行われ、現在、保存修理中のため令和7年度(予定)まで閉館している。重要文化財の復元を機に、歴史的建造物の価値や歴史などの発信、交流人口の拡大に繋がることを期待する。

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