長崎市議会観光客誘致・受入対策特別委員会は、さる5月23日観光客の誘致や本格的な受入の再開に向け、グラバー園施設の現地調査を行ったので、その概要を掲載する。グラバー園(南山手町)は、居留地時代から現存する洋館で国指定重要文化財の旧グラバー住宅、旧リンガー住宅、旧オルト住宅を核とし、長崎市内に残っていた歴史的建造物を移転・復元し、市民及び観光客の方々に当時の歴史を肌で感じていただける、観光の拠点施設と位置付けられている。現在の保存修理(耐震補強)工事は、旧三菱第2ドックハウス、旧スチイル記念学校、旧ウォーカー住宅、旧グラバー住宅が完成し、現在、長崎地方裁判所長官舎が整備されている。今後、旧自由亭、旧オルト住宅、旧リンガー住宅の耐震工事が予定されている。
グラバー園の入場数は、新型コロナの影響がなかった年度(H28~H30)の平均入場者数976,225人/年に対し、令和2年度約24万人、令和3年度約28万人となり、コロナの影響は非常に大きい。3年ぶりに制限なしで迎えた、今年のゴールデンウイークにおける長崎市内の主要施設入場者数(グラバー園、出島、ペンギン水族館など)は、去年と比べ観光客は増えたものの、コロナ禍前の平成30年と比べると2割から4割ほど少なくなっている。政府は、5月24日から外国人観光客の受け入れ再開に向けて実証実験を開始し、訪日外国人観光客の受け入れを6月10日から再開するとしている。訪日観光客の解禁は、新型コロナの世界的な流行で往来が途絶えて以降、約2年振りとなる。また、6月1日から1日当たりの入港者数上限を1万人から2万人に倍増する。基本的な感染対策を行い、コロナ禍で疲弊した地域経済の回復を期待する。