前日に引き続き、政策要求の概要を掲載する。要求内容:有害鳥獣対策(イノシシ、シカ、カラス、アライグマ)等の強化を図ること。回答:有害鳥獣対策は、「防護対策」、「棲み分け対策」、「捕獲対策」を基本に、迅速かつ効果的な被害防止対策に取り組んでいる。農作物の被害金額は、平成28 年度、約4,900 万円、平成29 年度、約4,200 万円、平成30 年度、約3,300 万円と年々減少しているが、平成30 年度の被害相談件数は1,000件を超えており、特に生活環境被害の相談件数は、600 件以上となり、全体の6割を占めている。まず、「防護対策」は、農作物被害に対し国庫事業を活用したワイヤーメッシュ柵の設置を進めるとともに、市独自の取組みとして、国庫事業の要件に該当しない小規模農地における農作物被害や市街地周辺の生活環境被害を防止するために、個人の農業者や自治会等へワイヤーメッシュ柵等を貸与している。ワイヤーメッシュ柵の配布の時期は、例年、秋頃行っていたが、令和2年度からは、年度の早い時期に貸与できるよう見直したい。
次に、「棲み分け対策」は、ワイヤーメッシュ柵等の点検、補修及び周辺の除草作業など地域ぐるみの取組みを推進するとともに、地域住民の集会等において、有害鳥獣の生態や被害発生の原因、効果的な対策について、委託している有害鳥獣対策の専門業者が懇切丁寧なコンサルティングを行うなど、有害鳥獣が出没しにくい環境づくりに取り組んでいる。平成30 年度から、市内2地区の市有林の住家に隣接した箇所において、藪の刈払いや樹木の間伐を行う緩衝地帯の整備に取り組んでいる。また、「捕獲対策」は、有害鳥獣の個体数を抜本的に減少させるという新たな着眼点に基づき、長崎市有害鳥獣対策協議会及び捕獲隊が連携し、計画的な捕獲体制の強化に取り組み、平成30 年度はイノシシ3,732 頭で過去最高の捕獲頭数となっている。今後も、捕獲目標の4,850 頭に向けて、さらなる体制の強化に努めていきたい。今後、生活環境被害対策を進めるため、令和2年度は被害状況の整理やその被害に応じた課題の抽出、対策の検討を行うとともに、その結果を基にした実証実験にも取り組んでいきたいとの回答があった。