昨日に続き、長崎市議会「全員協議会」における「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」及び「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の質疑の内容(要旨)を掲載します。①課題解決に向けての取り組みや今後のスケジュールは?回答:長崎エリアには民間所有の4つの稼働資産及び軍艦島など4つの非稼働資産がある。稼働資産は、役割が終えた後の維持管理に係る役割分担が大きな課題で、今後、所有者・国・地元自治体で協議・調整を進める。特に、軍艦島の保存管理の在り方は島全体を史跡として管理する方向が示され、多額の財政負担が必要であり財源措置を含め国・長崎県と十分協議しながら検討する。
②産業革命遺産の登録に向けた関係自治体との連携は?回答:関係県市の首長を委員とする「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会を設置し、関係自治体の担当課長等で組織する幹事会等で共通課題の解決に関する協議を進めている。構成資産が広範囲にわたる事から生じる連携不足を解消するため積極的な情報交換を行なう。③教会群の登録に向けた今後の取り組み方針は?回答:世界に誇る高い価値を有し、将来にわたりその資産を継続的に守っていくことも重要な課題である。多くの来訪者の受入体制など、特に地域の皆様と今後一層連携を図り課題の解決に取り組む。今後とも世界遺産への推薦を目指して醸成してきた機運を持続しながら全力を尽くす。
④稼働資産の保全や軍艦島の史跡に関する多額の財政負担は?回答:軍艦島(端島)は、炭鉱閉山から40年放置され劣化している。保存管理の方法によって財政負担に相当の幅があり、複数のパターンでの概算費用は最も安い11億円から最大144億円と試算され、文化財保護に関する補助やその他の補助制度、有利な起債などの活用を視野に入れ、国・県とも十分協議しながら検討を進める。⑤推進体制は?回答:世界遺産推進室が中心となり、必要に応じて稼働資産の保全方策は景観部門、軍艦島の史跡指定は文化財部門など専門の部局として連携して作業を進めてきたが、タイトなスケジュールのなかで全庁的な協力体制を組み推進する、との答弁がありました。