
前日に続き今日も、福州市公式訪問の備忘録を掲載する。11月13日(視察4日目)午前中、福清市の黄檗山万福寺(重要文化財)を訪問。この黄檗山万福寺は、日本でなじみの隠元禅師が46歳の時住職となり、当時中国においても高名な僧として、その名声は日本に届いていたと記されている。隠元禅師は、中国明時代の1592年福建省福州府に生まれ、29歳で仏門に入り63歳(1654年)の時に、30名の弟子とともに来日し、始めは長崎の興福寺の住職となっている。京都宇治市にある黄檗山万福寺は、黄檗宗の中心寺院で隠元禅師を開山に講じて建てられ、建物や仏教の様式、儀式作法など中国風で、日本の仏教寺院とは異なった景観を有している。隠元の来日と萬福寺の開創によって、新しい禅やさまざまな中国文化が日本にもたらされた。隠元の名に由来するインゲン豆のほか、孟宗竹、スイカ、レンコンなどもたらしたのも隠元だといわれている。


また、11月14日(視察4日目)黄檗山万福寺視察後、上海市に移動するため福州長楽国際空港に向い、空路上海に飛び立ち、上海浦東空港から上海国際貿易センターへ移動するも大渋滞に遭遇した。上海における長崎鮮魚は、2005年(平成17年)長崎魚市の中国向け鮮魚輸出開始に伴い、2020年(平成2年)コロナ禍の影響で一時的に輸出ストップ、2023年(令和5年)ALPS処理水放出直後に中国が日本水産物輸入全面停止措置を発動し、輸出はストップ状態となっている。2025年(令和7年)5月に、日中政府間で日本水産物の中国への輸出再開に向けた手続き合意を踏まえ、今回、上海一網鮮王経理と面談し、長崎鮮魚のトップセールスとなった。これまでに長崎鮮魚の中国における販売は、上海、北京、広州・天津など110都市、2,400店舗以上で販売され、魚種は豊かな天然魚をはじめ、養殖のクロマグロ、ブリ、マダイ等で、天然魚ではレンコダイ、アジ、シマアジ等販売されている。


併せて、11月14日(視察4日目)夕食後、上海市中心街の南京路を散策した。南京路は上海最大の繁華街、全長約5.2㎞の通りで老舗の百貨店や食品店を中心に、近代的な老舗が並ぶ南京東路と、高級ホテルやショッピングモール、喫茶店やレストランが多い南京西路に分かれていると言うが、散策していてもどこに向っているのか分からず、現地ガイドについて行くだけだった。10年前の公式訪問でも訪れたことがあったが、前回は昼間の散策、今回はライトアップ、ネオン、イルミネーションが鮮やかな夜景見学のため、人通りの多さと夜景の魅力を堪能した。


