前日に続き、「西九州新幹線促進佐賀・長崎合同研修会」の概要を掲載する。講演では、田坂朋裕氏(県土木部都市政策課長)より「長崎駅周辺の再開発について」、長崎市の現状は斜面地が多く平地が少ない。踏切の状況は渋滞が発生し救急車が通れない。長崎駅周辺の広大な平地が有効に利用されていなかった。この土地により、西側からの長崎駅へのアクセスが出来なかった事などから、長崎駅周辺の再開発がスタートした。JR長崎本線連続立体交差事業(事業期間:平成21年度から令和6年度)では、竹岩橋踏切、柳川橋踏切、宝町踏切、幸町踏切を除去し、長崎駅、浦上駅を高架駅とした。長崎駅周辺土地区画整事業(事業期間:平成21年度から令和10年度)では、令和3年11月1日に開業した「出島メッセ長崎」、JR九州長崎駅ビル開発、長崎県庁・県警本部の移転建替、東口駅前広場の整備、松が枝地区旅客船整備事業(2バース化)の説明があった。
次に、芝宗一氏(市まちづくり部都市計画課長)より「長崎都心まちづくり構想について」、構想の背景は長崎駅周辺再整備や長崎スタジアムシティの整備、松が枝町国際観光船ふ頭の2バース化など、官民による大規模開発によって、交流人口の増加が見込まれることから、都心部に生まれる賑わいや人の流れを「まちなか」を含む都心部全体に波及させ回遊を促すことを目的に、構想が策定されている。計画期間は概ね30年後の2050年(令和32年)、都心部~都心部周辺部における「都市機能誘導区域」をベースに、地形、宅地の連担状況、公共交通サービスの状況から一定まとまりのある区域を設定する。エリア分けは、川辺のエリア、海辺のエリア、岬のエリア、まちなかのエリアとし、令和5年度3月末までに策定・公表されるとの説明があった。
併せて、西九州新幹線フル規格化の意見交換では、八江会長より佐賀県の山口知事が10月27日に長崎ルートに関する与党検討委員会の森山裕委員長と東京都内で面会したという報道が話題に上がったとの質問に対し、佐賀県の議員の会で最高顧問を務める今村雅弘衆院議員は、「先ずは国土交通省と佐賀県で話をする必要がある。こういう話が出ていることは、話し合って行こうとの空気になってきている」と期待感を示した。長崎ルート開業から1年経過、利便性・快適性、時間短縮、交流人口の拡大など、大きく寄与しているものの、関西方面からくる人は2回も乗り換える必要があり、早期のフル規格での実現を求めて行きたい。(写真はアミュプラザ長フロア)フロア)