長崎市教育委員会は、令和4年1月より市北部地区などの小学校20校、中学校4校に給食を提供する「長崎市北部給食センター」の整備を進めており、さる11月19日長崎市議会にて現地視察を行った。北部給食センターの概要は、所在地:長崎市豊洋台2丁目、敷地面積:8,568.41㎡、延床面積:鉄筋造2階建て4,604.04㎡、調理能力:8,000食(うち植物アレルギー対応食約150食)、HACCP(ハサップ)に準拠したドライシステムの導入などで運用される。1階フロアは調理室・事務室、2階フロアは研修室、体験コーナー、見学通路、事務室からなり、作業内容にあわせて部屋を区分けし、エアシャワーやエアカーテンなどを設置することで、食中毒や異物混入を防止する。また、食材の荷受けから調理、配送までワンウェイ動線で行い、食材の交差汚染を防止している。
長崎市の学校給食の課題は、①調理機器の有無により学校間で献立が違う。②食物アレルギー対応食の調理が可能な専用室を設けることが困難。③多くの施設が老朽化していることなど。その問題解決のために学校給食施設の集約化を図り、給食センターを整備することで、①充実した調理設備で富んだメニューの提供。②食物アレルギー専用食調理室等を完備し、食物アレルギー対応の向上。③作業エリアごとに部屋を区分けし、衛生管理体制の向上などの効果が期待される。学校給食衛生管理基準では「調理後2時間以内の給食に努めること」となっており、南北に長い長崎市では3ヶ所の学校給食センターの整備計画が進められている。南部エリアは香焼本村埋立地に令和7年度提供開始で、中部エリアは川平小学校跡地に令和8年度提供開始予定となっている。