諏訪神社の秋季大祭「長崎くんち」は、日本三大祭りの一つに数えられ、10月7日(前日)から9日(後日)の3日間、7年に一度巡ってくる踊町を中心に本番がスタートした。「長崎くんち」は、起源とされる1634年の奉納踊りから385回目になるといわれている。今年の踊町は、今博多町「傘鉾・本踊り」、魚の町「傘鉾・川船」、玉園町「傘鉾・獅子踊」、江戸町「傘鉾・オランダ船」、籠町「傘鉾・龍踊」の他、古町、桜町、勝山町の7カ町が担当している。7日(前日)は、13時過ぎに市役所玄関前に出て見ると、カメラ片手に見物人・観光客らが待機し、「お下り」の行列を待っていた。「お下り」は、くんちの運営を世話する年番町の関係者らがお神輿のお伴をして、色鮮やかな衣装を着て行列に参加していた。3体のお神輿(諏訪・住吉・森崎)は、神輿守(みこしもり)西山神輿守連合会が担ぎ、大波止(お旅所)の御旅所へ向かった。
また、市役所前から旧県庁前まで、5つの踊り町の傘鉾(かさぼこ)が一斉に練り歩く「傘鉾パレード」も催された。踊り町の先頭に入ってくるのが「傘鉾」であり、町のプラカードの役目を果たす。傘鉾には、趣向を凝らした様々な装飾が施されており、重さは約130~150kgで、心棒の最下部には、一文銭を2,500枚から3,000枚を結わえ付け、上下のバランスをとるようにされているとか・・・・市中を練り歩く傘鉾は壮観なものがある。庭先回りでは、長采振の笛の合図とともに根曳(ねびき)衆の勇壮な姿、銅鑼(どら)や囃子の音に合わせた龍の動き、華麗な舞の本踊りなど沿道の見物客を楽しませていた。ローカル局では、午前7時から各踊町の演(だ)し物や傘鉾・本踊の様子が放映され、モッテコーイ!モッテコーイ!の掛け声が聞こえ、華やかな舞や力強い動きで長崎の秋を彩っていた。