県立図書館の長崎市での存続・再整備を求める実行委員会(田中正明会長)は、昨日15日(日)13時30分から長崎市公会堂において約1,500名が参加するなか「県立図書館の長崎市での存続・再整備を求めるシンポジウム」を開催、長崎市選出県会議員・長崎市議会議員の皆様も出席しました。開会冒頭、田中会長より「県立図書館は県都長崎市に存続させなければならない、10年後・20年後に悔いを残さないための、誘致合戦ではなく存続・整備を求める集会とした。県立図書館と市立図書館の役割と違いを理解してもらう場としてほしい」、田上市長より「諸団体含め県に要望活動を展開してきたところであり、この集会を意思結集の場とし、県立図書館の利活用を考え・学ぶ場としてほしい」、中村市議会議長より「海外貿易・交流で長崎市は発展してきた、長崎市議会・長与町議会・時津町議会も県立図書館の長崎市に存続する議会決議を採択した、交通の利便性、情報発信都市として長崎に整備すべき」との挨拶がそれぞれありました。
その後、原田博二氏(長崎県地方史研究会長)より「長崎学における県立図書館が果たす役割」の演題のもと基調講演が行なわれました。県立図書館は、明治45年6月、当時の長崎文庫、長崎県回覧文庫、荒川文庫等を統合して創設された由来や県民は原爆の悲劇を三度繰り返さぬよう希求して、その復興の基本的構想として国際文化の向上と恒久平和のシンボルとして「国際文化センター」の建設を計画、国内外の法人・団体、個人などからの浄財5,500万円と県費5,500万円で昭和35年俊工している。また、県立図書館の役割は古文書・公文書等を保存する専門館として県都長崎市に残すべきとの講話がありました。
第2部では、「何故、県立図書館が長崎市になければならないか」のテーマのもと、5名のパネリストよりそれぞれ見解が示されました。概要は、県立図書館としての役割は人・物・金・情報が蓄積され使い勝手の良い、そして多くの出入りがある長崎市になければならない。古文書・公文書等は現在歴史博物館と県立図書館で分割保存されており長崎にとって貴重な宝であり、現在・将来にわたって大きな損失をもたらす。現在図書館の利用者は約30万人、大村移転の場合は約10万人の利用が予測されており県都にあってこそ価値が発揮される等の意見が述べられました。この様なことから、県立図書館は長崎市に再整備すべきものであると参加者全員で確認したシンポジュウムでした。