「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎、熊本の12資産)」がユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)から世界文化遺産登録の勧告を受けて、ゴールディンウィーク(GW)の4日は県内各地の構成資産には多くの観光客が来場したとの報道があった。「国宝の大浦天主堂」に入場した個人客は、1日の入場者としては例年のGW期間の2倍近い約4,000人、「原城跡(南島原市)」も来訪者が大幅に増えて750人以上、その他の構成資産にも「勧告効果」で見学者が増加したとニュースで流れていた。長崎市の平成28年の観光動向は、観光客数672万3,500人(過去最高)、外国人延べ宿泊数31万386人、クルーズ客船入港数197隻(過去最高)、乗客乗員数は71万7,288人といずれも過去最高となった。
観光消費額は1,313億7,850万円、長崎県内の経済波及効果は2,015億円、観光客1人あたりの市内観光消費額は平均で19,500円、宿泊客で30,245円、日帰り客13,140円となっている。国・地域別外国人延べ宿泊者数は、韓国76,262人(約25%)・台湾49,444人(約16%)・中国46,797人(約15%)、欧米の順となっている。経済波及効果は、直接効果1,161億円、間接波及効果854億円で総合効果として2,015億円と試算されている。世界遺産登録に伴う観光客数及び経済波及効果の推計は、「産業革命遺産」で観光客数は6.5万人~26万人(中間値:約6万人)、経済波及効果は24.3億円~101.2億円(中間値:約63億円)、「隠れキリシタン関連遺産」で観光客数は11万人~26万人(中間値:約19万人)、経済波及効果は39.4億円~100.9億円(中間値:約70億円)と推計され、両遺産が登録された場合更に2.8万人~2.9万人増が見込まれている。「勧告効果」による経済波及効果を期待する。