前日に引き続き、市民クラブの「令和3年度政策要求に対する回答」の概要を掲載する。要求:有害鳥獣対策(イノシシ、シカ、カラス、アライグマ)等の強化を図ること。回答:有害鳥獣による農作物の被害金額は、平成29 年度約4,200 万円、平成30 年度約3,300 万円、令和元年度約2,900 万円と年々減少し、令和元年度の被害相談件数は1,000 件を超え、特に生活環境被害の相談件数は600 件以上で、全体の6割を占めている。有害鳥獣対策は、「防護対策」「棲み分け対策」「捕獲対策」の3つの対策を、迅速かつ効果的な被害防止対策に取り組んでいる。「防護対策」は、農作物被害に対し国庫事業を活用したワイヤーメッシュ柵の設置を進め、市独自に国庫事業の要件に該当しない小規模農地における農作物被害や市街地周辺の生活環境被害を防止するため、個人の農業者や自治会等へワイヤーメッシュ柵等を貸与しており、令和元年度は約38km の貸出となっている。
「棲み分け対策」は、ワイヤーメッシュ柵等の点検、補修及び周辺の除草作業など地域ぐるみの取組みを推進し、地域住民の集会等で有害鳥獣の生態や被害発生の原因、効果的な対策について、委託している専門業者が懇切丁寧なコンサルティングを行うなど、有害鳥獣が出没しにくい環境づくりに取り組んでいる。「捕獲対策」は、長崎市有害鳥獣対策協議会及び捕獲隊が連携し、計画的な捕獲体制の強化に取り組んでおり、令和元年度は、新たな地域の捕獲団体が5件新設され、イノシシ3,809 頭と過去最大の捕獲頭数となっている。しかし、イノシシによる市街地周辺への出没や石垣の掘り崩しなどの生活環境被害の増大、カラスによるびわへの食害、アライグマの目撃情報、アナグマ、タヌキによる糞被害の相談も多く寄せられるなど、令和2年度は、被害相談の実績などを基に、生活環境被害対策の効果検証を進めている。また、令和3年度は、自治会等による取組みを推進していくため、ワイヤーメッシュ柵設置への支援を行う予定としているとの回答があった。