長崎市議会はさる3月15日閉会、第9号議案平成30年度長崎市一般会計予算について、賛成の立場から意見を述べたので掲載する。先ず、端島炭坑の居住施設第70号棟の下部埋戻し工事費が計上されている。本工事は、台風の影響で護岸が決壊したことで建物の下部の空洞化が進みその部分を埋め戻す工事で、建設機材、材料等を海上運搬するなど、極めて高度な技術と高い安全性、周囲の海域への環境にも十分注意を払う事などが求められる。施工時期は 5月中旬から9月末までの予定であるが、安全に工期中の工事完了を要望すると共に、今回の特殊な工法・工事は、今後の類似の修復工事に反映してほしい。「長崎市子ども・子育て支援計画」については、本年度から第2期計画(平成32年~平成36年版)の準備に入り、保護者アンケートによるニーズ調査が実施されるが、前回のアンケート回収率50%と同様に設定している、意識を改め計画策定に注力願う。
次に、企業立地推進費について、企業立地奨励金の目的は、あくまで「企業誘致による雇用受け皿の確保」「雇用の創出」である。企業によっては雇用者数の増減が激しく、大量の退職、短期雇用があるという実態が浮かび上がった。定住人口維持・拡大の視点からも長期安定雇用が望まれるが、1年を超えれば短期雇用であっても奨励金が交付されるという仕組みに問題があるのではないか。さらに正規雇用に占める「地域限定正社員」の割合が高い企業も散見され、待遇改善による若年者の雇用促進のためにも、正社員を増やす誘導政策が必要である。安定した良質な雇用創出のためにこの奨励金が有効活用されるよう、適宜条例の見直しについて検討をお願いする。また、オフィスビル建設補助金については、多額の市税をビル建設の無利子貸与に使い、さらに多額の補助金を出しているにもかかわらず、有効に活用されていないのが現実である。長崎県や長崎県産業振興財団と十分連携を図り、企業誘致に取り組み、地元雇用の創出、拡大に取り組むことを強く求める。
併せて、DMO推進費について、長崎市版DMOの形成・確立に向けては、一番重要な人員体制や、責任と権限のあるトップ人事について、いまだ展望が見えていない、財源確立も手つかずの状況である。DMOの目指すところは、観光を行政の施策としてではなく、産業として確立、活発化させて、その収益を市民に還元するサイクルを作っていくことにある。それを実現するためには、人材確保・育成を確実に進めること、従来からの発想を大きく転換し、民間出身のトップ人事を早急に人選すること。「ながさき住みよ家リフォーム補助金」は、昨年度より予算が減額になっているが、平成31年度はこれまでの実績を踏まえ、増額を含めての検討を要望するなど、平成29年度のそれぞれの事業の反省を踏まえ、平成30年度の本予算が適切に執行されることを要請し、賛成討論とした。