長崎市議会世界遺産・観光客受入対策特別委員会は、8月11日(火)9時から「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の世界文化遺産登録に伴う観光客の動向と受入対策の現状について、本市の構成資産8施設(旧グラバー住宅、高島炭鉱北渓井抗跡、端島炭鉱、小菅修船場跡、第三船渠、占勝閣、旧木型場、ジャイアント・カンチレバークレーン)の現地調査を行った。この特別委員会は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」及び「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録を契機とした観光客受入と地域活性化に寄与することを目的に設置され、原則として毎月一回開催する事としている。
最初の視察地は9時から旧グラバー住宅、朝の早い時間帯で観光客は少ないと思っていたが、10時前には長崎港に寄港したクルーズ船(コスタ・セレーナ、約11万4000トン)の観光客(主に中国人)が団体でグラ―バー園を訪れていた。年間100万人を超えるグラ―バー園は、交通アクセスの利便性の良さや、世界遺産登録の効果、土産品店も連なり観光客で賑わい、受入体制は8資産のなかで群を抜いている。また、軍艦島(端島)上陸のクルージングも好調で、常磐桟橋には観光客が列をつくり乗船を待っていた。グラバー園・軍艦島に比べ、高島炭鉱(北渓井抗跡)は世界遺産登録されたとはいえ、観光で訪れる人も少なく、日本最初の蒸気機関による竪坑の価値も分かりにくい。形だけの案内板はあるが、見せる工夫の取り組みが必要である。