長崎市議会市民クラブ有志(7名)は、2月5日から7日にかけて千歳市・小樽市の市役所を訪問し「みんなで進める千歳のまちづくり条例」及び「小樽市自治基本条例」について、条例の制定に至る経緯、条例の概要、制定による効果、今後の課題など現地調査を行いました。自治基本条例は、まちづくりの基本的な考え方や市政運営の基本的ルールを定めたもので、近年、地方分権が進むなかにおいて「地方自らで決定し、地方で責任を持つ」考え方を基本に、お互いが知恵を出し合い、協働でのまちづくりの取り組みが全国的に広まっています。
千歳市は、北海道のなかで平均年齢が41.3歳と若く、全国一の自衛隊基地(陸上自衛隊2、航空自衛隊1)で自衛隊員とその家族、OB含めての住民が約3割との事です。地域の特徴としては、町内会活動やスポーツ・文化団体での活動などを通して、市民生活と大きく関わりを持ち、千歳のまちづくりに大きく影響しているようです。条例制定後、行政(職員)、町内会(自治会)、事業者、市民団体(40団体登録)など市民の意識は少しずつ変化し、市民協働推進会議の設置で、ひと・まちづくり助成事業及び協働事業の選考審査、協働事業に係る評価・見直しが行なわれていました。
小樽市は、平成21年1月に自治基本条例に関する検討会がスタートし、4年間の調査・研究が行なわれ、本年4月1日より「小樽市自治基本条例」が施行されます。条例制定時の特徴は、市議会での審議経過における市民への条例内容の浸透不足、市議会に対する説明不足など継続審査となったこと、豊かな自然環境や歴史的な景観など小樽市の特性を生かした観光を中心とした魅力あるまちづくりについても規定されことなどが挙げられます。また、議会・議員の役割及び議員の責務、市長・市民の役割及び責務、行政運営、安全で安心なまちづくり、道内自治体との連携なども条例のなかに含まれていました。長崎市においても、長崎市自治基本条例検討市民懇話会で最終報告書が取りまとめられ、今後、市議会のなかで議案審査が行なわれるが、今回の調査を踏まえて慎重に対応していきたいと思います。