長崎県市議会議長会(板坂博之会長)は、8月23日(金)14時から西海市のオリーブベイホテルにおいて190名の議員団が参加して「平成25年度長崎県市議会議長会議員研修会」を開催しました。開会冒頭、板坂会長(長崎市議会議長)より「世界経済と海運・造船業の状況の演題について講演を頂くが、円高・円安による為替レートの影響や国内で期待される産業など聴講し、議会活動のなかで活かしてほしい」との挨拶があり、佐嘉田議長(西海市議会議長)より「市の概要説明や長崎県の地場産業を学んでほしい」との歓迎の挨拶が述べられました。
研修会では、鈴木幸雄氏(大島造船所代表取締役副社長)より「造船業界の特徴、造船業の将来、海運・造船を取り巻く現状、日本造船界の課題」などについて講演を聴講しました。造船業の特徴は、見込み生産ではなく注文生産で、受注(契約)から納品(竣工引き渡し)まで概ね3年程度、世界単一市場での国際競争が激しく、円対ドルの為替レートの影響が大きい業態である。造船業の将来は、世界の人口は増え続け、海上荷動き量は着実に増加するなか大きくなるパイの日本・韓国・中国での熾烈な競争になる。海運・造船を取り巻く現状は、船舶過剰で需給のギャップが拡大し海上運賃の大幅ダウンの状態が続き、船主は新造船発注に慎重で発注される船の価格はピーク時の半分以下である。
しかしながら、リプレース需要や海上物流増、古い燃費の悪い船のスクラップ化などで需給ギャップは解消される。当面の仕事量をどう確保していくのか。新技術の開発などでどう差別化を図るのか。韓国・中国に負けないコスト競争力を確保することなどが日本造船業界の課題であるとの説明を受けました。私も造船業の出身であり、造船の厳しさは理解していたつもりでしたが、具体的な数値を聞いて改めて造船業の厳しさを痛感いたしました。地域経済に大きく影響を与える長崎県の基幹産業の造船業、厳しい環境を打破するためにも皆様からの知恵を借りて、行政でサポート出来る体制・事業などを反映していかなければならない。