上海視察2日目(18日)は、10時から国際貴都大飯店(コクサイキトダイハンテン)ホテルにおいて、小沼英悟氏(日本政府観光局(JNTO)上海事務所長)より「中国の訪日旅行市場の現状―華東地域を中心に―」と題した現地旅行業界の事情説明がありました。上海事務所の主な業務は、旅行会社へのツアー造成・販売促進支援、旅行会社セールススタッフ育成支援などを行なっています。通称は日本政府観光局(JNTO)と呼び、正式名称は日本国際観光振興機構上海事務所との事でした。
小沼事務所長より、中国人訪日旅行者の訪問先は東京・大阪間に集中、東京への訪問率が高く、訪日初心者が中心(上海ではリピター増加中)で自然、温泉など「リラックス志向」が高まっている。また、華東地域(上海市・江蘇省、浙江省)の訪日旅行市場の最近の傾向は、個人観光ビザの緩和により上海市からの団体ツアーは2004年(平成16年)1.58万人から2010年(平成22年)に20.9万人と7年で13倍に伸びている。更に、2012年の訪日旅行市場は、東日本大震災の影響に伴い、地震、放射能に対する根強い恐怖感から東京の販売注力度が低く、訪日観光は被災後から回復途上にあるが成長期には至らず、個人観光は一層進展するとの説明がありました。
上海市内での昼食後、18日(金)12時から上海の中心的繁華街の一つであるショッピングストリートのパリ春天淮海(わいかい)店入口広場前において、和太鼓「西方小天鼓」や日本舞踊「藤間流藤栄会」、チンドン屋「かわち家」など出し物を披露し、長崎市観光のPRをしている会場に向かいました。広場では、長崎市観光PRのアトラクション出演者3団体12名、観光PR協力者6名、関係者等がすでに、上海航路及び長崎市観光プロモーション活動を展開していました。私達視察団も、コンベンション協会・関係者の皆様と一緒に長崎観光のパンフレットを上海市民へ配布させて頂きました。市民の反応は、ステージ前には物珍しさからの見学人はいましたが、長崎に対する認知度はまだまだ不足しているものを感じました。
18時以降は、フリー行動の時間帯であったが、一人で上海市内の散策も出来ないので旅行会社のオプション(別途追加代金)を申し込み、上海市の夜景を視察しました。上海市は、第二次世界大戦まで欧米諸国が租界(外国人がその居留地区の警察・行政権を掌握した組織および地域)を設置し、15万人の外国人が暮らした国際都市として、現在、経済規模で中国最大の都市に発展しているそうです。上海のシンボルは、高さ468mの東方明珠塔(とうほうめいじゅとう)、日本の森ビルが建設した492mの上海ヒルズ(上海環球金融センター)等があり、上海の夜景は超高層ビルが立ち並ぶなか個性的なマンションやライトアップされたビルも含め、印象に残る夜景となりました。