朝夕過ごしやすくなり、長崎ではシャギリの音とともに「長崎くんち(国指定重要無形民俗文化財)」が、10月7日からスタートする。諏訪神社の秋季大祭「長崎くんち」は、6月の小屋入りから準備が進められ、10月3日の「庭見せ」、4日の「人数揃い(にいぞろい)」といよいよ本番を迎える。長崎くんちは、寛永11年(1634年)に当時の太夫町(後に丸山町と寄合町)の高尾と音羽の両名が、諏訪神社前に謡曲「小舞」を奉納したことが始まりと言われる。391年の長い歴史を誇り、日本三大祭りの一つに数えられ、10月7日(火)から9日(木)までの3日間開かれる。
今年の踊町と演(だ)し物は、西古川町「櫓太鼓・本踊」、新大工町「詩舞・曳檀尻」、諏訪町「龍踊」、榎津町「川船」、賑町「大漁万祝恵美須船」、新橋町「本踊阿蘭陀万歳」の6町が奉納する。10月3日は小雨模様の中、賑町の中央公園から万屋町ベルナード観光通りを経由して新地中華街まで散策した。散策の目的は、各踊り町が本番で使う衣装や傘鉾(かさぼこ)、小道具・楽器などが飾られているものや、踊り町の出演者に贈られた祝品を並べて披露する「庭見せ」を見学した。「庭見せ」に目を奪われるものは、衣装はもちろんではあるが、祝品は大きな鯛や伊勢海老、おおきなざくろ・柿・栗など飾られ、本格的な秋の訪れを感じた。賑町の中央公園では17時前から、足元が悪いなかでも多くの人が訪れ賑わい、ベルナード観光通りでは「川船」展示の周辺に観光客や市民らがスマートフォン片手に撮影を行っていた。観光通りはくんちムードが漂い、くんちを通じて地域の活性化が期待される。