九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖ー武雄)を巡り、佐賀県フル規格促進議員の会は4月27日(土)佐賀県生涯学習センターアバンセにおいて「フル規格新幹線新鳥栖駅分岐佐賀駅ルート決起大会」を開催、長崎県内の県・市議議会議員や経済団体の関係者らも参加、政府与党が最適とする同ルートの早期実現を訴えた。整備方式について佐賀県は、佐賀空港と連結する南回りルートを議論する、佐賀駅経由ルートを白紙にした上で「長崎県やJR九州と地元で議論して新たな合意形成を図るのも選択肢の一つ」と提起、5月13日に3者で意見交換する。福岡県南部では、南回りルートを想定し、新たな分岐駅の誘致を目指す動きも出ているという。決起大会は「佐賀駅経由ルートが最適」という気運醸成のため、佐賀県選出国会議員らも含め約400人が出席した。
基調講演では、国土交通省鉄道局幹線鉄道課長の北村朝一氏より「新幹線の意義と開業効果~西九州新幹線はどうあるべきか~」をテーマとして、西九州新幹線、新幹線の意義と開業効果、これまでの経緯について講演があった。新幹線整備の意義は、人流の活発化、地域の活性化、まちづくりの進展、災害に強い交通ネットワークの構築など。北陸新幹線(長野・金沢間)開業1年間で前年比約3倍の利用客数を記録、沿線各地の観光施設において観光客数が増加、まちづくりの事例の紹介もあった。ルート施工上の課題として、南回りルート(佐賀空港を経由するルート)は軟弱地盤に由来する大規模な地盤改良工事が必要との指摘もあった。議員や佐賀、長崎両市民の代表によるパネル討論もあり、佐賀と長崎が一緒に西九州を発展させようとの声も上がった。