2018年7月に世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、機会があればぜひ訪れて見たいと思っていたが、縁あって4月29日・30日に新上五島町を訪ねた。450年以上にも及ぶ日本におけるキリスト教の歴史は、キリスト教が日本においてどのように伝わり、広まり、根付いていったかというプロセスを示す貴重な遺産である。17世紀から19世紀の2世紀以上にわたるキリスト教禁教政策の下で、「潜伏」したきっかけや信仰の実践と共同体の維持のためにひそかに行った様々な試み、その歴史は決して平坦なものではなく、伝播と普及、禁教下の継承、解禁後の信仰復帰という、世界でも類を見ない世界遺産である。
潜伏キリシタン関連遺産は、長崎と天草地方の12の構成資産で成り立ち、今回は「頭ヶ島天主堂」関連について掲載する。外海地域から中通島の鯛ノ浦地区へと渡った潜伏キリシタンは、仏教徒の開拓指導者の下に無人島であった頭ヶ島へと入植し、閉ざされた環境下で密かに信仰を継続した。信徒発見後は、海に向かって開けた谷間の奥に「仮の聖堂」を建てた後、地元で産出する砂岩を多用した教会堂に建替えられた。頭ヶ島天主堂は、「頭ヶ島集落」にある石造りの天主堂。鉄川与助の設計施工によって、1910年(明治43年)に着工、近くの石を切り出して建設が始まり、1919年(大正8年)に完成したと記されていた。(インターネットより)