核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)は、8月8日12時45分から長崎原爆資料館ホール(平野町)において、約80名が参加するなか「令和3年KAKKIN長崎平和集会」を開催した。主催者を代表して松尾敬一議長(KAKKIN長崎)は、「一発の原子爆弾で長崎市民74万人の約3分の1(21万人)が影響を受けた。核兵器廃絶に向け活動しているが、世界にはまだ約13,000発の核兵器が存在している。被爆国日本は核兵器廃絶の努力をすべき」との挨拶があった。来賓挨拶では、田上市長より「被爆から75年の活動が行われて来た、これから25年間は被爆体験を知っている皆様が若い人と100年に向けて歩んでほしい」、渡辺啓貴KAKKIN議長代行より「KAKKINは核兵器廃絶条約を支持すると表明、皆が同じ方向の考え方を持つことが重要である」との挨拶があった。
KAKKNは昭和36年以来、「核兵器の廃絶」「被爆者支援」「原子力の平和利用」などに取り組み、全国からの浄財・カンパは累計約15億円となっている。今年度も、恵みの丘長崎原爆ホーム、長崎純心大学、長崎原子爆弾被爆者対策協議会、長崎原爆資料館、佐世保市総合医療センター、長崎県被爆者手帳友愛会の代表に、被爆者救援カンパの目録が贈呈された。アピールでは、核兵器禁止条約の発効も国際社会が核兵器廃絶をことの表れと考え、日本政府に対しては核保有国がこの事実を重く受け止め、真摯に核兵器削減に向けて話し合いを進めるよう、被爆国として積極的に役割を果たすことを求めた。
また、同日15時30分から県立総合体育館サブアリーナにおいて「被爆76年連合2021平和ナガサキ集会」に参列した。連合長崎宮崎会長は「核の脅威におびえその果ての破局に向かうか、条約に希望を持ち核をなくすか、とるべき道は後者だ」と述べ、連合神津会長は「核兵器禁止条約について、世界の核廃絶を求める強い意志が結集した。重く受け止めねばならない」とビデオメッセージが寄せられた。アピールでは、核兵器禁止条約の発効という歴史的な大きな一歩を更なる運動の強化の契機とし、戦争の実相を次世代へ語り継ぐとともに、「核兵器禁止条約」発行後初となる本集会において、核兵器廃絶と恒久平和を実現することを確認した。被爆地長崎は8月9日、76回目の原爆の日を迎え平和公園で10時45分から「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれる。(動画は8月7日のリハーサルから)