松井一実市長(広島市長)は、8月6日広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式広島平和記念式の「平和宣言」で、世界にいまだ1万4千発を超える核兵器がある。核兵器がさく裂したあの日の広島の姿を再現させ、人々を苦難に陥れる可能性が高まっている。被爆者の訴えは核兵器を手にしたいという誘惑を断ち切るための警鐘で、その声に耳を傾けることが一層重要になっている。ICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者の思いが世界に広まる一方、自国第一主義が台頭し、核兵器の近代化が進む。核兵器廃絶への取り組みが、各国の政府指導者の「理性」に基づく行動によって「継続」しなければならない。政治指導者に対し、核兵器禁止条約を核兵器のない世界への一里塚とするための取り組みを。日本政府には、条約発効に向けた流れの中で、国際社会の対話と協調を進める役割を果たすよう求めるなど訴えた。
「平和への誓い」では、人間は美しいものをつくることが出来る。しかし、恐ろしいものをつくってしまうのも人間である.昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分、原子爆弾の投下によって、街は焼け、たくさんの命が奪われた。「助けて」と、泣き叫びながら倒れている子ども、皮膚は垂れ下がり、腕の肉がない姿。73年が経ち、私たちに残されたのは、血がべっとりついた少女のワンピース、焼けた壁に記された伝言、そして今なお、遺骨のないお墓の前で静かに手を合わせる人。広島に残る遺品に思いを寄せ、今でも苦しみ続ける人々の話に耳を傾け、今、私たちは、強く平和を願う。平和とは、自然に笑顔になれること・・・その平和への思いをつないでいく私たち、私たちは無力ではない。73年前の事実を、被爆者の思いを、私たちが学んで心に感じたことを、伝える伝承者になることなどを力強く誓った。