長崎市議会は、2月22日(水)に開会し3月16日(金)までの23日間と決め、一般質問は2月27日・28日、3月2日・3日の4日間、7会派の代表・個人質問合わせ15人が登壇する予定である。田上市長の施政方針は、これまで着実に進めてきたいくつかの取り組みが、大きく動き出す一年になる。1つ目は新しい市庁舎の建設で、旧公会堂及び公会堂前公園敷地に平成34年度の完成を目指し、平成29年度は建物の構造や配置、完成時の外観を明確にする基本設計に着手する。2つ目は長崎の陸の玄関口である長崎駅周辺等の整備で、九州新幹線西九州ルートの建設事業やJR長崎本線連続立体交差事業が進められ、鉄道・運輸機構や長崎県と連携しながら着実な進捗を図る。3つ目は出島復元整備事業で、出島の復元の動きが始まって65年、19世紀初頭の四方が水に囲まれた出島の姿になるにはまだ数10年の時間を要するが、出島の雰囲気を「体感」できる建物の復元に続き、今年は往時のように「橋を渡って出島に出入りする」という「体験」が出来るようになり、その復元を世界にアピールする機会にしたい。
一方、まちを支える仕組みについても、暮らしやすさをつくり育てる「地域」をキーワードに組み替えを進める。平成28年12月に改定した「都市計画マスタープラン」もその大きな方向性を支える計画で、都市機能が集まった拠点と周辺の生活地区の間で公共交通などによる連携を図る将来の仕組みである「ネットワーク型コンパクトシティ長崎」の考え方を示し、一定の人口密度を有する地域を定めた「立地適正化計画」を平成29年度に作成する。今後、市役所は、サポートが必要な分野だけでなく、地域の特性に応じたまちづくりが出来るよう、エリアごとに職員の拠点を配置するなど、地域のまちづくり活動を支援するための市役所側の体制をつくり、「地域コミュニティを支える仕組み」をつくる。450年続く港町ナガサキ、歴史のバトンを繋ぎながら「交流の産業化」をはじめとする次の時代の基盤づくりをしっかりと進める。
平成29年度の予算編成は、財政状況はこれまでの行政改革の取り組みなどにより、厳しいながらも徐々に好転しているが、中長期的に見ると生産年齢人口の減少に伴う市税収入の減少や、人口減少に伴う地方交付税の減少、高齢化等に伴う社会保障関係の費用の増加など、財政状況に大きく影響することが予想される。限られた財源と人員の中で、将来にわたって安定したサービスを提供するためには、選択と集中による事業の重点化と健全な財政基盤の確立を図る必要がある。そこで、「交流の産業化」の推進による地方創生の実現と人口減少を目指す「長崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」や重点プロジェクト、各部局で定めた重点取り組みを推進し、次の時代の長崎の基盤づくりなどの未来への投資や、市民の暮らしやすさにつながる施策に配分するという考え方のもと、各施策を検証し予算編成に取り組んだとの施政方針が示された。