長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、1月13日長崎原爆資料館ホールにおいて約300名が参加してICANノーベル平和賞受賞記念特別市民セミナー「核兵器禁止条約をどう活かすか?」を開催した。主催者より「国際NGO核兵器廃絶国際キャンペーン(IKAN)がノーベル平和賞を受賞したのを機会に、長崎大学はICAN事務局長のベアトリス・フィン氏を長崎に招聘した。ICANベアトリス・フィン事務局長より「昨年7月に国連で採択された核兵器禁止条約について、日本は核軍縮のリーダーでなければならず、まずこの条約に参加しなければならない。被爆地の長崎・広島で起きたような人類最悪の行為が、他の地で繰り返されてもいいと考えているのか。その上で、被爆地の価値観と日本政府の政策には大きな溝があるとし、ギャップを埋めなければならない。国民の声をひとつにして訴えれば、政府は無視できない」など特別セミナーで見解を示した。
長崎市議会は6月26日、教育厚生委員会の給食センター建設に向けた土地調査業務費の計画変更、交流拠点施設(MICE)を含む整備事業費71億2,240万円の補正予算案などを賛成26、反対11、退席1の賛成多数で可決した。交流拠点施設は、総事業費約216億円で開業目標は平成33年11月供用、3,000人規模の学会や大会に対応できるコンベンションホールやイベント・展示ホールなどを備える。20年契約の「公設民営」で、建設・運営は九電工や地場企業でなどでつくるグループが担い、年間のMICE開催件数775件、利用者数61万人、経済波及効果は114億円と試算している。交流拠点施設整備は、交流人口拡大に繋がる、一つの起爆剤となり民間運営事業者のノウハウに大きく期待する。また、ジャパネットのスタジアム建設計画は、大きな夢と希望がもてるもので、国内だけでなく世界的にも大きな発信力・インパクトがあり、お互いにアイデアを出し合い、補完・相乗効果などで地域活性化を図る必要がある。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)第42回世界遺産委員会は、6月30日「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎、熊本の12資産)」の世界文化遺産登録を決定した。登録を巡っては、政府が2015年1月、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を推薦したが、イコモスから「禁教期に焦点を当てるべき」と指摘され、推薦を取り下げていた。県は国内で初めてイコモスとアドバイザー契約を結び、正式な支援・助言を受けて潜伏キリシタン遺産と内容を見直し、あらためて昨年2月に推薦していた。国内の世界遺産は22件目(文化遺産18、自然遺産4)で、県内では「明治日本の産業革命遺産」に続き2件目の登録決定となった。観光振興や地域への活性化が期待されるが、「祈りの場・生活空間の確保」、「観光客へのマナー周知」、「受入体制」、「保存のしくみ」など課題もあり、構成資産になっている離島や半島部の過疎集落を含め、「人類の宝、長崎の宝」として現状を維持し、次世代に引き継ぐための保全・保護策など方向性を示す必要がある。