全日本海員組合長崎支部(松本順一支部長)は、1月20日に第85回定期全国大会で決定された政策諸課題への対応について、長崎市に「海運・船員の政策諸課題に関する申し入れ」を行った。松本支部長より「海運・水産産業は、海上物資輸送・旅客輸送ならびに食用水産物の安定的な供給などを通じ、経済の維持・発展や国民生活の安定に大きく寄与している。能登半島地震をはじめとする、大規模自然災害において、海上輸送の緊急支援物資や人員輸送の一役を担うなど、船舶は被災地域のライフラインを確保するうえでも重要な役割を果たすことが確認されている。しかしながら、海運・水産業を担う日本人船員の減少傾向には歯止めがかからず、船員の確保・育成が喫緊の課題のほか、諸外国の内情によって、日本船舶の航行の安全が脅かされているなど」趣旨説明があった。
政策諸課題の申し入れ概要は、長崎市内各港を拠点とするフェリー・旅客船事業者に対し、離島島民の生活を支え、観光産業の発展に寄与する公共交通機関として長崎市の経済活動に貢献する船社に対し、各ターミナル使用料ならびに岸壁使用料の減免措置の拡充、その他、事業継続に必要な支援措置を講じること。船員は家族や陸上社会と離れ、職住一体となった特殊な労働環境のもとにあり、行政サービスの受益が一定程度制限されており、住民税減免措置に向けて取り組んでもらいたい。船員の高齢化や後継者不足が顕著であり船員後継者の確保・育成、船員志望者の裾野拡大に向け海に親しむ活動の推進、海難事故の撲滅と安全対策、漁船の代替建造への取り組み、日本人漁船員の確保育成の取り組みなど、政策課題の申し入れを行った。