長崎市は、8月9日10時45分から平和公園(松山町)において、岸田首相をはじめ各与野党の代表、遺族や被爆者、83カ国の駐日大使ら約1,600人が参列、「被爆77 周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」を営み、原爆で亡くなった皆様のご冥福をお祈りするとともに、核兵器廃絶に向けての誓いを新たにした。田上市長は、平和宣言で「核抑止力に依存する考えに警告し、核兵器をなくすことが、地球と人類の未来を守るための唯一の現実的な道。核保有国は核拡散防止条約(NPT)の約束を再確認し、核軍縮の具体的プロセスを示せ。被爆者援護の充実と被爆体験者の救済を急ぐよう求めるなど、「長崎を最後の被爆地に」の思いのもと、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に力を尽くす」と宣言した。
式典で岸田首相は、厳しい安全保障環境の中にあっても、核不使用の歴史を継続し、長崎を最後の被爆地とし続けなければならない。非核三原則の堅持を表明し、核拡散防止条約(NPT)の維持・強化などを訴えた。被爆者代表の宮田隆さんは、「ウクライナの状況と77年前の長崎の光景が重なるとして、断じて許せないと軍事侵攻を非難。政府に核の傘からの脱却と核兵器禁止条約への署名・批准」を求めた。平和公園では、原爆投下時刻の11時2分に、原爆の犠牲となられた多くの御霊に対し黙とうを捧げた。7月末までの1年間に死亡した被爆者と被爆体験者計3,160人の名を記した原爆死没者名簿を奉安、累計奉安数は19 万2,310人となった。被爆者手帳を持つ全国の被爆者は3月末時点で11万8,935人、平均年齢は84.53歳となっている。