長崎県は今年8月に県庁舎跡地整備基本構想(素案)を公表、主な機能となる「広場」「情報発信機能」「交流支援機能」などを、県庁舎跡地と県警本部跡地に効果的に配置し、先ず広場等を整備し利用状況を検証した上で、その後の整備を検討するとしている。これら整備費は、概算で約20-30億円を見込み、県議会での議論や県民意見などを踏まえ、2021年度中に基本構想を策定する。対象エリアは、長崎市江戸町の県庁舎跡地(敷地面積約1万3000㎡)と隣接する江戸町公園(1800㎡)、道路を挟んだ万才町の県警本部跡地(約2000㎡)。県庁舎跡地のうち石垣上の敷地では、中央部に1フロア約1000-1500㎡の2階建て程度の低層建築物の配置を検討し、歴史を感じつつ、幅広い賑わいや交流を促す広場・空間を整備する。石垣下の敷地は、県の魅力を伝える情報発信施設、石垣上と下をつなぐ階段、バスの待合所などを整備する。建物はいずれも平屋建てや2階建ての低層をイメージしている。
次に、県警本部跡地は、周辺エリアの開発との連動にも留意し、産学官等の連携によるオープンイノベーションを推進、民間開発を基本に周辺部も含めた活用を検討する。具体的機能として、コワーキングスペースやシェアオフィス、交流サロンなどの「交流支援機能」、企業向けオフィスなどをイメージしている。県庁舎跡地では、収益性が乏しいとしてPFIの導入は困難と判断、一方、県警本部跡地は収益施設が多くを占めるため、民間開発を含めた民間活力導入による実現可能な事業スキームを検討する。また、提示された約20-30億円の整備費には、県警本部跡地のほか、旧第3別館の改修、出土した石垣の修復、階段整備、残存する基礎や杭撤去、隣接地を取得する場合の費用などは含まれていない。全体工程は、2022-2023年度の整地など、2024年度以降の設計・整備を想定。一方で、広場や石垣下・第2別館跡地、県警本部跡地などは先行着手するなど、段階的な整備を進めるとしている。