世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産「旧グラバー住宅(長崎市南山手町)」の大規模改修が終わり、きょう18日の一般公開を前に、昨日(17日)内覧会が開かれ現地視察を行った。グラバー園内にある旧グラバー住宅は、国内に現存する最古の木造洋風建築で、日本の近代化に貢献したスコットランド出身の貿易商、トーマス・グラバー(1838~1911年)が暮らした。2018年12月に始まった半世紀ぶりの大規模改修では、ひび割れした外壁や老朽化した屋根などを修復し、耐震補強工事も行っているとの説明があった。改修後の住宅内では、史実に基づき当時の様子に近づけ、「ひと」「たてもの」「くらし」といったテーマに沿って家具などを展示している。AR(拡張現実)技術を使った映像で建物の魅力を見ることもできる。
「寝室」は、改修前には通路であったが、倉場富三郎から父グラバーに宛てた手紙を分析し、住宅の中心に寝室があったと判明し部屋を再現。「家族や知人が集う部屋」、「昭和初期の食堂」、「厨房」などは、古写真を参考に、似ているテーブルや椅子、食器などをそろえ当時を再現している。旧グラバー住宅の大規模改修を機に、県内外からの来訪者でグラバー園内の賑わいが期待できる。コロナの影響で訪れる人も少なかったグラバー園・大浦天主堂周辺には、久方ぶりに修学旅行生や観光客が訪れ、賑わいを取り戻していた。この状態が続くことを祈念したい。