長崎市議会総務委員会は9月7日、「常設型住民投票条例案」について審査を行い、委員からは「原案では低い投票率でも市長の決定に大きな影響を与える」として、他都市の状況を参考に、投票資格者総数の2分の1(投票率50%)を盛り込み、不成立の場合は開票もしない修正案が提出され、賛成多数で可決した。住民投票条例には、法律に制定された住民投票制度があり、長崎市では50分の1以上の連署をもって、市長が意見を付けて議会に付議する「個別型住民投票条例」がある。今回の住民投票条例は、投票の対象を市政に係る重要事項とし、住民の意思を直接請求するための制度を設け、外国人を含む満18歳以上の市民の6分の1以上の署名が集まれば、市議会の議決を経ずに住民投票ができる常設型住民投票条例となる。長崎市では、平成28年から平成30年にかけて、旧公会堂の解体中止や交流拠点施設(MICE)の建設凍結など、市民から住民投票条例の直接請求が計5回出されたが、いずれも議会で否決した。このようなことを踏まえ、長崎市は令和元年から審議会を設置し、制度の検討が進められていた。
次に、長崎市議会は同日10時から本会議を開き、8月の記録的な大雨で被災した市内の道路や学校施設など、災害復旧費3億8,071万7千円の一般会計補正予算案(第16号)を追加上程した。補正予算案には、道路災害復旧費1億7,140万円、小中学校施設復旧費9.580万円、河川復旧費4,770万円、県道野母崎宿線の道路崩壊に伴い、不通となった路面バスの代替え運送を緊急で行うため、千々町・大崎町を臨時タクシーで運送する公共交通災害対策費251万7千円など計上され、各常任委員会で審査が行われ可決した。9月議会は議案審査を優先し各常任委員会(総務、教育厚生、環境経済、建設水道)が開かれ、条例・予算案などは9月10日の本会議で採決される。一般質問は、9月14日・15日に4会派4人が登壇することになっている。