平成30年度施政方針において長崎市の田上市長は、私たちの暮らしや社会にとっての最大の問題は急速な人口減少であり、少子化・高齢化などの人口構造の変化である。これからの長崎のまちづくりにとって、最も大きな影響を与えるので「人口減少の克服と長崎創生の実現に向け取り組みを進める」と述べた。一方で、「長崎市第四次総合計画」のもと、時代や環境の変化に対応して進化していくために、長崎の強みを最大限に活かすこと、長崎にあった暮らしやすさを創り出すこと、その両方の視点を持って、進化が必要な分野として「経済」「まちの形」「まちを支える仕組み」を掲げた。それを具現化するために重点プロジェクトの取り組みで、「交流人口の拡大による地域経済の活性化に向け事業を推進する」「一つ一つの事業はまちづくりの礎になる。これまで積み重ねてきたものが、目に見えて形になる1年になる」などの施政方針を表明した。
交流の産業化による長崎創生の平成30年度の主な予算は、「明治日本の産業革命遺産」「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連」の推進費や端島炭鉱の整備費など4億3,508万1千円、「環長崎港夜間景観向上基本計画で設定している重点エリア10地区の夜間景観整備実施設計・夜間計画整備費など景観まちづくり刷新事業費6億6,520万円、稲佐山公園スロープカー整備費5億8,920万円など観光分野へ。商業集積地である新大工町地区の市街地再開発事業費として8億5,960万円、新幹線整備事業や土地区画整理事業等長崎駅周辺整備など26億9,780万円、新市庁舎建設工事等3億1,800万円など。地域の各種団体が連携して行う地域運営に対する支援として地域コミュニティ推進交付金2,260万円など可決した。今後とも、事業推進にあたっては、市民目線によるチェック、税金の有効活用等に努める。