長崎市の経済成長戦略は、地域産業の集積や強みを活かすため、造船業をはじめとした海洋関連産業、水産業や豊かな食文化など大きな可能性を持つ食品関連産業、歴史や文化に彩られた観光関連産業という、3つの産業分野を「船」「食」「観」と表現し、その着実な成長・発展を目指して取り組みを進めている。「ながさき海洋・環境産業拠点特区」の取り組みは、基幹製造業の成長を目指した「船」の分野における重要な地域指定であり、長崎県、長崎市、西海市及び佐世保市で共同提案し、本年2月15日に国の採択を頂いた。総合特区の指定により、長崎地域に限定した形での規制緩和や税制・金融上の支援措置などを検討するための「国と関係自治体との協議」が、春と秋の年2回、今後5年間にわたり特別に行われる事が約束されている。
規制緩和等の進捗状況は、客船建造用の輸入貨物に係る関税の取扱いを対象とした「保税地域における蔵置期間の延長」などの項目について、既に関係省庁との協議が整ったことから、改めて計画書のなかに盛り込み、国に申請している状況です。また、長崎市では、他の地域に先駆けて11月28日に、関係地場企業等の参画を頂き、第1回目の地域ワーキンググループを立ち上げ、今後は課題毎の分科会をスタートさせることで、特区指定の効果をさらに高めて行く。併せて、今年度から3年間、総事業費約22億3千万円のうち、国が8割を負担し残り2割を地元の企業や県市で負担して、造船技術者等の人材育成を図るための「ながさき海洋・環境産業雇用創造プロジェクト」にも着手している。これまで参加企業の募集や求人活動が順次行われ、計画されている全22事業のうち、今年度に実施する予定の19事業について、着実に進捗が図られているとの答弁がありました。