10月7日から始まる長崎くんちの踊り町による人数揃い(にいぞろい)が、昨日4日(金)長崎市内であり6ヵ町の踊り町の皆様が、本番さながらの迫力ある演技を披露しました。人数揃い(にいぞろい)とは、10月4日に行うもので、演し物(だしもの)の稽古が仕上がり、準備が整ったことを踊り町関係者に本番と同様の衣装で披露する本番前のリハーサルである。今年の踊町は、桶屋町の「傘鉾・本踊」、船大工町の「傘鉾・川船」、丸山町の「傘鉾・本踊」、本石灰町の「傘鉾・御朱印船」、栄町の「傘鉾・阿蘭陀万歳」、万屋町の「傘鉾・鯨の潮吹き」です。
このうち本石灰町の「傘鉾・御朱印船」の人数揃いは、12時30分から八坂神社(鍛冶屋町)において演し物が披露されました。八坂神社の石段には、早くから場所をとって、待機しているくんちファンや見物人が多くて足を運ぶことが出来ませんでした。御朱印船は、安土桃山から江戸初期にかけて活躍した本石灰町ゆかりの貿易商、荒木宗太郎の史実に基づき貿易先の安南(ベトナム)の王女アニオーをめとり、長崎港に入ってくるという設定で豪華絢爛な輿入れを再現しているとのことです。根曳(ねびき)衆による、御朱印船の2回転半の船回しは、豪快で迫力がある見どころのひとつです。
次に、万屋町の「傘鉾・鯨の潮吹き」が披露される市丸バッグ店本店前(浜町)に13時30分頃到着しましたが、会場周辺には観光客や市民らが大勢詰めかけ、身動きも出来ない状態でした。鯨の潮吹きは、万屋町が魚問屋の町として栄えていた安永(1776)5年、唐津呼子浦の中尾甚六という鯨組の主人が伝えられたとされる。5隻の捕鯨船に続いて約2トンの鯨が姿を現し、荒波を舞台にした勇壮な「捕鯨ドラマ」を繰り広げ、18人の根曳衆が大きな鯨を引き回します。また、傘鉾の垂幕に施された長崎刺しゅう(魚づくし)の部分を新しいものに取り換え、初披露されました。(写真は、前方が子供クジラです)
最後は、人数揃い披露の時間の関係で14時過ぎに、栄町の「傘鉾・阿蘭陀万歳」を見学しました。阿蘭陀万歳は、長崎に漂着した2人のオランダ人が万歳を覚え、生計を立てるために正月の祝儀に回った言い伝えを基にして創作された物語で、日本舞踊をベースに華やかさと異国情緒あふれる踊りが特徴で、「万歳」と「才蔵」のユーモラスな掛けあいが見どころとの事です。「ちび万歳」「ちび才蔵」も、かわいらしい演技で花を添えていました。時間の関係で、桶屋町の「傘鉾・本踊」、船大工町の「傘鉾・川船」、丸山町の「傘鉾・本踊」は、見学する事が出来ませんでしたが、本番中には是非見学したいと思います。