前日に続き、「九州新幹線西九州ルート整備促進シンポジウム2024」において、「関西直通運行が西九州地域にもたらすもの」のテーマで開かれた、パネルディスカッションの概要を掲載する。西九州新幹線開業に伴い、長崎駅周辺では出島メッセ長崎、ヒルトンホテル長崎、長崎マリオットホテル、長崎スタジアムシティなど開業し、長崎の新幹線効果は増大しており「時間距離が短くなった。北部九州一体で考える必要がある」。北陸新幹線(金沢―敦賀間開業)の開業に伴い、福井駅周辺の再開発が進み、100年に一度の人口交流拡大の時代に突入した。福井県内の宿泊数も2024年5月時点、前年比110.2%に増え、県内観光地も好調で新幹線効果が続いている。大阪・名古屋方面から金沢へ行く場合、敦賀駅における乗換えは約8分、移動距離約200㍍が課題としてある。
北陸新幹線(金沢―敦賀)開業効果は、関西の交流人口が約1,650万人増加、交流人口が全国で約1,910万人増加、経済効果約2,700億円、北陸新幹線の利用客約3倍増、旅客数が伸びたとの報告があった。最近のインバウンドの動向では、2024年1~10月までの累計は3,019万人(2019年同期比12.2%増)となり、過去最速で3,000万人を突破している。宿泊数は三大都市圏を中心とした回復。2023年の訪日外国人の旅行消費額は5.3兆円(2019年比9.9%増)、一人当たり21.2 万円(2019年比33.8%増)と過去最高との説明があった。欧米豪からの誘客拡大の可能性は、歴史(原爆、蘭学、潜伏キリシタン、明治日本の産業革命遺産)、文化・食(陶磁器、日本酒、茶、和洋中華、建築、伝統行事)、アウトドア、アドベンチャーツーリズム、街歩きなどがあるとの見解が示された。