7月初旬の週末、久方振りにぶらりと出島周辺を散策した。出島は、1634年江戸幕府が対外政策の一環として長崎に築城した日本初の人工島、扇型で面積は3,969坪(約1.5㌶)、1636年から3年間はポルトガル貿易を、1641年から1859年までは東インド会社を通じてオランダ貿易が行われたという。明治以降は、長崎港港湾整備に伴う周辺の埋め立てにより、扇型の面影はなくなり陸続きとなっているが、出島全体は1922年(大正11年)「出島和蘭商館跡」として国の史跡に指定され、1996年(平成8年)より江戸時代の姿への復元を目指し、出島復元整備事業計画が進められている。出島表門橋は、約130年の時を超え2017年によみがえった。
次に、陸続きになっている扇型の先端付近(電車軌道)を散策していると、大きな木が目に付く“デジマノキ”ナンヨウスギ科の常緑高木で、東南アジア一帯に自生している。原産地では高さ45㍍、幹の直径4㍍の大木にも育ち、デジマノキは高さ10㍍、幹囲1.5㍍あるが、幕末の頃オランダ人によってジャカルタ地方から持込まれた幼木が育ったものであると説明板に記されていた。日蘭修交の歴史を語る貴重な記念樹である。また、中島川に架かる橋で、出島エリアの東側にある”出島橋“現役の鉄製道路橋としては、日本最古のもので明治23年につくられたという。ぶらり出島周辺を散策するのも歴史を肌で感じるもの。