長崎市議会は、長崎駅周辺整備・交通結節対策、観光客誘致対策、人口減少対策の3特別委員会において調査、検討を行ない、各委員長から「委員会からの提言・要望」を報告し、審査を終了したのでその概要を掲載する。長崎駅周辺整備・交通結節対策特別委員会では、令和2年7月の「長崎市中心部の交通結節等検討会議」において、長崎駅周辺地区などの整備方針が一定示され、具体的な計画は今後決定されることから、本市のまちづくりの方向性や考えをしっかりと示し、国や県、関係機関と連携し、事業を進めること。特に、旭大橋線の側道と長崎駅西通り線との交差点付近は、現状でもバスやタクシーなどの交通事業者から交通渋滞を懸念する声が上がっており、JR九州が新駅ビルの開発を計画していることから、JR九州に対し具体的な交通対策を求めるとともに、ハード、ソフトの両面から対策を講じることなど。
観光客誘致対策特別委員会では、新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大し、人の移動が大きく制限され、観光業を基幹産業の1つとする本市は、コロナ禍で打撃を受けている観光業や飲食店に対し、ポストコロナに向けて活性化を図る支援を実施すること。官民連携し、チーム長崎セーフティなどの安全安心な滞在環境を高めるための取組をさらに推進し、感染症にしっかりと対応している都市であることを市内外へ積極的に情報発信すること。出島メッセ長崎の令和3年11月の開業に向け、株式会社ながさきMICEやDMOとの連携をさらに深め、民間の力を総結集し、他都市との差別化を明確にしてさらなる稼ぐ仕組みの構築に努めること。観光と食を連動させ、食の魅力を顕在化させて観光客誘致につなげるため、魚や農産物を中心とした地産地消を体感できる施設の設置について、長崎県や関係団体と早急に協議を行うことなど。
人口減少対策特別委員会では、人口減少に歯止めがかかっていない状況にあり、令和2年3月に第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、「若い世代に選ばれる魅力的なまち」を目指すべき姿として掲げ、オール長崎市で取り組んでいるが、新型コロナウイルス感染症の影響により、今取り組んでいる事業においても計画通りに進捗しないことが考えられることから、適宜、変化や肉づけを行いながら人口減少対策に取り組むこと。子育て支援施策は、様々な施策を実施しているが、就学援助の世帯も多いことから、今後も子育ての費用負担の軽減について取り組まれたい。雇用施策の企業誘致は、長崎市の自然災害のリスクが比較的少ない等の強みを生かした誘致と併せ、製造業の誘致にも引き続き取り組むことを求めることなど提言した。行政においては、委員会における調査の過程で各委員から出された意見・要望を十分に踏まえ、各種施策の実現に引き続き取り組まれたいと要望した。