前日に引き続き、フェニックス・プラザ(福井市民福祉会館)において開催された「平成30年度全国都市監査委員会総会・研修会」の概要を掲載する。研修2日目(7月13日)は、同会場において9時から4つの分科会が開かれ、浅野卓氏(東海旅客鉄道(株)監査部長)より「内部統制と内部監査」のテーマの研修を受けた。内部統制とは、業務に不正やミス非効率が起きないように、責任者により定められたルールやマニュアルを、現場の末端に至るまで守らせる仕組みである。内部監査とは、組織をより良くするために、独立的な立場でルールを作り、遵守状況を客観的に検証し、改善を勧告したり助言したりする仕事であると、民間の立場か分かりやすい説明があった。強固な組織を実現するために、適切なリスク認識に基づくルール作り、業務機関・現場への指導とルール改善、内部監査部門による勧告・助言などで、内部監査により内部統制を検証・改善することが可能になる。
休憩後、全体研修では、内海隆明氏(総務省自治行政局行政課理事官)より「これからの地方公共団体を巡る課題について~地方公共団体における内部統制・監査を中心に~」のテーマのもと研修を受けた。先ず初めに、日本の人口推移について、わが国は75歳以上人口を増加させながら、本格的な人口減少の局面を迎え、生産年齢人口(15~64歳)は7,656万2千人、割合は60.3%で平成4年以降低下を続ける。高齢者(65歳以上)人口は2042年ピークを迎え、2040年頃には毎年100万人近くが減少する。平成28年3月第31次地方制度調査会より「人口減少社会に対応する地方行政体制及びガバナンスのあり方に関する答申」があり、平成29年地方自治法等の一部を改正する法律が施行された。
その概要は、①内部統制に関する方針の策定等(平成32年4月1日施行)、②監査制度の充実強化(平成32年4月1日施行)、③決算不認定の場合における長から議会等への報告規定の整備(平成30年4月1日施行)、④地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等(平成32年4月1日施行)、地方公共団体における内部統制制度、持続可能な自治体運営など多岐にわたる講話を聴講した。学ぶべきが多いが、長崎市監査委員会で民間出身の立場で反映して行きたい。