長崎市議会環境経済委員会は6月19日、長崎市がJR長崎駅西側で計画している交流拠点施設(MICE)を含む複合施設の整備予算を巡り、経済界の陳情や施設を整備・運営する予定の企業グループから参考人を招致し質疑を行った。ジャパネットが近隣地にスタジアム・アリーナ整備を計画するなか、「棲み分け」、「相乗効果」、「拠点施設への影響」などの質問に対し、運営を担当するコングレの担当者より「ターゲットが異なり棲み分けできる」、「長崎の誘致対象が学会や国際会議、展示会などにあるのに対し、アリーナはスポーツ大会やコンサートなどで棲み分けに加え、相乗効果も期待できる」との見解を示した。また、長崎は駅前で立地条件が良く、経済団体との連携から他都市と比べ「ポテンシャルがある」、年間のMICE開催件数775件、利用者61万人の目標は最低限との考えを示した。
地元経済団体による整備推進の陳情においては、長崎商工会議所の宮脇会頭は「長崎は基幹産業の造船・水産業が厳しい状況にある。人口減少が顕著でこのまま何もしなければ沈んでしまう」、長崎経済同友会の坂井代表幹事は「チャレンジが必要」と述べた。複合施設の開業目標は2021年11月、「公設民営」で総事業費は215億円となっている。主な施設構成は、コンベンションホール(2階)平土間2,720㎡(3分割可)、イベント展示ホール(1階)平土間3,840㎡(2分割可)、会議室、ぺデストリアンデッキなどとなっている。民間収益事業は、MICE施設との一体的な複合開発による「交流と賑わいの拠点」を実現し、長崎市と定期借地権設定契約を締結して地元企業が中心となった高級ホテル事業(述床面積20,000㎡、客室200室、フルサービス型)や民間収益施設(長崎放送㈱の社屋を検討)、駐車場などの事業を行うとしている。