長崎市は、人口減少と少子高齢化に直面、将来にわたって発展していくために、交流人口を拡大し地域経済の活性化を図ることが必要であることから、交流拠点施設の検討を進めている。昨年11月、定例会本会議で田上市長より「(仮称)長崎市交流拠点施設整備・運営事業優先交渉権者事業提案書」の概要について説明を受け、その後、さる1月14日には、長崎新聞文化ホールにおいて約550名が参加するなか「まちづくりフォーラム~交流拠点施設の活かし方~」が開催された。第一部「交流拠点施設に関する市長説明」では、交流人口拡大の動きとして、昭和の観光(観光施設からの脱却)から新しい観光分野(資源を磨く)の創出、インバウンド(外国人の訪日旅行)へのチャレンジなどオール長崎で取り組むとの挨拶があり、第二部パネルディスカッション「交流拠点施設を活かしたまちづくり」が行われ質疑があった。今後、1月27日(土)14時から原爆資料館ホール、2月3日(土)14時からNBC別館メディア・ツー、2月5日(月)19時から三和地域センター、2月7日(水)19時から東公民館、2月15日(木)19時から琴海南部文化センターにおいて「市民説明会」が開催される。
提案書概要の基本方針は、新たな結節点として「DEJIMA」を創出、実施体制はコンベンション施設の運営やPFI事業実施の豊富な企業の9社、民間収益施設(ホテル、駐車場、オフィススペース含む)は地元企業を主体とした3社、応募グループは全体で14社の体制となっている。主な施設構成は、コンベンションホール(2階)平土間2,720㎡(3分割可)、イベント展示ホール(1階)平土間3,840㎡(2分割可)、会議室、ぺデストリアンデッキなどとなっている。事業費は146億9,955万6,000円(予定価147億円)など独立採算で会議施設の運営実績が豊富なPCOによる運営ノウハウと施設の特性を踏まえたイベント創出により、年間の想定開催件数775件の61万人の利用者を見込んでいる。民間収益事業は、MICE施設との一体的な複合開発による「交流と賑わいの拠点」を実現し、長崎市と定期借地権設定契約を締結して地元企業が中心となった高級ホテル事業(述床面積20,000㎡、客室200室、フルサービス型)やビジネスセンター(オフィススペース含む)、駐車場などの事業を行うとしている。なお、この交流拠点施設のこれまでの検討状況や提案書の内容については、市民への周知・理解不足が懸念されるので、行政の丁寧な説明、慎重な対応が求められる.