前日に引き続き、全国市議会議長会研究フォーラムの第2部パネルディスカッション「議会改革をどう進めていくか」、第3部「意見交換会」、第4部課題討議「議会基本条例のこれまでとこれからを考える」の概要について掲載する。議会改革をどう進めていくかについては、大山玲子氏(駒沢大学法学部教授)、金井利之氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)、新川達郎氏(同志社大学大学院総合政策科学研究科・政策学部教授)、川西忠信氏(姫路市議会議長)のパネリストで、コーディネーターの入罷格氏(毎日新聞論説委員長)のリードでそれぞれ、次のような内容が述べられた。大山礼子氏は、地方議員のなり手不足と投票率低下、半数以上が議会基本条例を制定しているが住民の議会イメージはそれほど改善していない。地方分権改革により首長の権限が拡大されチェックの重要性は増している。議会活動を住民にとって魅力あるものにするには政策をつくる議会になってほしい。
金井俊之氏は、議会基本条例の制定は具体的に取り組み事項が分かりやすくなっているメリットはある。議会は予算審議を徹底的に行い、予算査定をするくらいの労力をかけることが不可欠である。議会に多様な人材を引き寄せるには議会の権力を高めることが一番であるが、報酬などの勤務条件ややりがい・社会的承認・名誉などに訴える方が健全である。新川達郎氏は、議会基本条例の懸念がいかされているのか?議会改革の成果は十分か検証する必要がある。議会が議会として政策を検討する体制づくり、議会や会派が政策を考える基盤づくりなど議会の政策提案機能の強化を図る必要がある。川西忠信氏は、姫路市議会の現状と今後の方策について、議会改革でとりわけ今後の重点を置くと考える分野、議員提案の政策条例はどのような分野で広げていくべきかなどについて説明があった。
第3部の「意見交換会」は、18時からホテル日航姫路で開催されたが、大ホール会場に700名超、小ホール会場に100名程が来場し会場は身動きが取れない状況であったため、早々と飲食を済ませ「世界文化遺産・国宝姫路城」の視察を行った。姫路城は別名「白鷺城」とも言われ、日本で現存する最大の城郭建築であり、巧妙な縄張りや多様な石垣、建立する天守閣・小天守、櫓、門などの全てに日本の城の魅力が凝縮されている(パンフレットより)。平成5年12月、奈良・法隆寺地域の仏教建造物とともに、日本で初めてユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界文化遺産」に登録されている。三の丸広場では、11月10日(金)~26日(日)の間「姫路城ファンタジーイルミネーション千姫」のイベントが催され、ライトアップによる姫路城が勇壮に浮かび上がっていた。