核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)は、8月8日(火)12時45分から長崎原爆資料館ホール(平野町)において、約300名が参加するなか「2017年KAKKIN長崎平和地方集会」を開催した。オープニングは、長崎市立長崎中学校ハンドベル部による「クスノキ」、「小川のほとり」、「千羽鶴」が披露され、哀愁漂う神聖な音色が会場に響き渡った。講演では、山田裕氏(放射線影響研究部チームリーダー)による「~低線量放射線と福島の現状の正しい理解~」のテーマと題し、放射線の人体影響、こども、胎児への健康影響、低線量・低線量率放射線の影響、福島の事故直後の被爆状況と現在、今後の課題などについて聴講した。
式典では、開会挨拶の後、原爆被爆によって7万4千余名の御霊に対し黙とうを捧げ、松尾敬一氏(KAKKIN長崎議長)より「国連で採択された核兵器禁止条約は新しい一歩として評価するものの、核兵器保有国をこの条約に参加させることが重要である」と述べ、いかなる国のいかなる理由による核兵器も許さないとする趣旨に賛同した団体・個人によって1961年結成されたKAKKINは、「核兵器廃絶に向けた活動、原爆被害者(被爆者)への支援活動、原子力の平和利用の推進」の3本柱を中心に諸活動を推進して来た。KAKKIN・支援組織代表・来賓より「核兵器廃絶と世界平和の実現のため力を結集しよう」、「国連で核兵器禁止条約が採択された粘り強く核兵器廃絶の声を広げてほしい」、「多くの人に被爆地を訪問してもらい被爆の実相を見てほしい」などの挨拶があった。
また、1961年(昭和36年)からこん日まで多くの皆様方のご協力により14億円を超えるカンパが寄せられ、本年も原爆記念日を迎えるにあたり、長崎原子爆弾被爆者対策協議会、長崎県被爆者手帳友愛会、佐世保市総合医療センター、長崎純心大学、長崎原爆資料館、恵みの丘長崎原爆ホームなど6団体へ医療器具や活動助成金の贈呈が行なわれた。その後、アピールでは「被爆国の私たちの願いは世界中の核兵器の廃絶である。世界の緊張を高めている北朝鮮の行動に強く抗議し、弾道ミサイル発射と核実験を直ちに中止し核兵器開発を断念することを求め」、結成以来の核兵器廃絶と原子力の平和利用を再確認し、平和集会アピールを採択した。