長崎市議会は、さる5月22日「観光客受入対策特別委員会」を開催、「本市の観光動向の現状について」調査を行い、同日16時から松ケ枝国際ターミナル・グラバー園・出島・稲佐山中腹・稲佐山展望台など現地調査を行った。長崎港松が枝国際ターミナルは、平成22年3月にインフォメーションデスク(屋根部分は全面グリーンデッキ)、待合スペースを備え第1ビルがオープン、平成24年8月に大型客船に対応するため、新たにCIQ(入管、税関、検疫)専用のターミナル第2ビルを整備し、受入れ体制の充実を図っている。クルーズ客船の寄港数は、平成26年75隻、平成27年131隻、平成28年197隻、平成29年300隻が見込まれ、過去最高の観光客数672万3,500人に繋がっている。
グラバー園は、居留地時代から現存する洋館で世界文化遺産の旧グラバー住宅、旧リンガー住宅、旧オルト住宅を核として、市内各地から移転・復元された洋館などが集まり、市民及び観光客の方々に当時の歴史を肌で感じていただける長崎市を代表する観光拠点として位置づけられている。施設の管理運営に民間のノウハウを活用しつつ、市民サービスの向上や行政コストの削減による経済効果が見込めることから、平成20年度から指定管理者制度を導入している。利用者数は、平成26年度約103万人、平成27年度約122万人、平成28年度は熊本震災の影響もあって約98万人が訪れている。現在、重要文化財等建造物の耐震診断・設計、耐震補強等工事が予定されている。
稲佐山の現地調査は、平成24年10月に「一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロ―」が開催した「夜景サミット2012in長崎」において、香港・モナコ・長崎」が「世界新三大夜景」に認定された。夜景の魅力向上、誘客を拡大して地域経済の活性化に繋げるため、現在、スロープカー建設工事の準備が進められている。スロープカーの概要は、稲佐山中腹駐車場から稲佐山岳駅までの約500m、車両40人/両×2両連結で最大乗車80人(2レーン)、1時間で約480人を輸送、片道所用時間約8分で、平成30年度完成を予定している。ロープウェイの利用者数は、平成26年度190,365人、平成27年度はゴンドラリニューアル工事のため60,762人、平成28年度195,218人となっている。この現地調査を踏まえ、観光客受入対策特別委員会において各種施策に反映していく。