定例長崎市議会は、12月9日(水)教育厚生・建設水道委員会の合同審査会で「新市立病院駐車場棟建設工事における雨水渠損傷の経過報告について」所管事務調査を行った。雨水渠損傷の概要は、平成27年6月長崎市新市立病院整備運営事業に伴う駐車場棟建設工事の杭工事において、長崎市上下水道局が所管する雨水渠の損傷が発生したことにより、雨水渠の機能が低下し早急な復旧が必要となったため復旧工事を行うもの。復旧工事の概要は、雨水渠工事延長L=10.5m、内径3500mm、工事期間は平成27年11月5日~平成28年5月31日、復旧概算費用は約2億4千万円、追加工事概算費用約1億7千万円。
雨水渠損傷の原因は、敷設当時に下水道部が市立市民病院(現・市立病院機構)との間で位置図が記載された占用許可書を取り交わし保管していたが、互いにその存在を認識していないなど、市側の複数のミスで施工業者に情報が伝わっていなかった。雨水渠復旧工事のため、現在駐車場棟建設工事は一時ストップしており、復旧工事完了時点から建設工事を再開し、駐車場棟は当初より10か月遅れの平成28年12月末を目指している。今後、雨水渠に干渉するエリアの駐車場棟を減築する建設計画で設計変更を行い、設計変更に係る経費が予算計上される予定である。市は業者側に復旧費用の負担割合を「概ね1対1」と提案しているが、業者側は「結果責任は考えているが、ただちに受ける状況にはない」との見解を示した。