長崎市議会は、6月19日(金)に改選後初の6月定例会を開会し、田上市長より3期目にあたっての施政方針が述べられました。その主な内容は、現在の日本は「人口減少時代」、「経済のグローバル化の進展」、「地方のことは地方で決める地方分権」、「地方創生」など大きな変化の時代となっている。大きな変化の時代を乗り切るために大事なことは、自分たちが持っている個性や強みを確かめる(長崎の強みと弱みを見極める)、すでに起こった未来を探す(小さな変化に気づき必要な対応をとる)、新しいやり方に挑戦する(協働型の仕事を増やす)ことなど、平成23年度から10年間の「第四次総合計画」に沿って市政運営を行っている。
目指す将来の都市像は、長崎に合った暮らしやすさを自分たちでつくる「人間都市」、“交流のDNA”やまちが持つ個性を活かしながら世界を身近に感じることのできる「世界都市」を揚げ、力を合わせることで新しいやり方を見つける「つながりと創造」の基本姿勢のもとでまちづくりを進める。その中で、特に「進化」が必要な重点分野として、「経済」「まちの形」「まちを支える仕組み」の3つを示し、それを具体化するため「13の重点プロジェクト」を選択した。もっと進化する長崎とするために、人口減少に歯止めをかけ、長崎型暮らしやすいまちをつくる、交流人口を増やす必要性を挙げ「これまでの歩みをもっと力強く前に進めると」と語った。
具体的には、子育て支援では医療費助成の拡大のほか待機児童の解消に向け、定員を増やす民間保育所に対し増改築費を助成する。雇用確保では、地場産業の活性化、創業支援、企業誘致の推進を柱とし、若年層の地元定住につなげるため、地元企業の知名度を向上と人材確保に向け、企業の魅力を発信する番組制作、放映等を実施し、県外開催の企業面談会に参加する中小企業に対して参加経費の一部を助成することなど。長崎市特有の斜面地における火災予防、高齢者等の被災をなくすため地域住民と行政が連携した初期消火体制の充実や防火指導に取り組む。二つの世界遺産候補を持つ強みを生かし、海外からの観光客誘致に力を入れる。3月取得した長崎駅西側の交流拠点施設用地は、長崎のまちづくりにとって重要な土地であることから、土地がもつ力を最大限に活用し、交流人口の拡大と地域経済の活性化につながる効果的な活用方策の検討を進めるとの、施政方針が述べられた。