政府は4日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を世界文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。産業革命遺産は、幕末から明治にかけて造船、製鉄、石炭の重工業技術が西洋から日本へ移転した歴史を証明する岩手、静岡、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島8県の23施設で構成されている。そのうち、長崎市の構成資産は、「軍艦島」で知られている「端島炭鉱」、「高島炭鉱」、旧グラバー住宅、三菱重工長崎造船所の「ジャイアント・カンチレバークレーン」、「小菅修船場跡」、「第三船渠」、「旧木型場」、「占勝閣」など8施設が含まれている。
イコモスの評価結果及び勧告内容は、推薦案件の名称を「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更した上で、「記載」勧告がなされた。(23の構成資産全てが遺産の構成要素として認められた)世界文化遺産への推薦は各国年1件、政府は平成21年1月にユネスコの世界遺産暫定一覧表に記載、平成26年1月にユネスコへ推薦書を提出、平成26年9月から10月にイコモスの専門家による現地調査が行われていた。今後の予定は、本年6月28日から7月8日までドイツ・ボンで開かれる第39回世界遺産委員会において、イコモスの本勧告を踏まえ、世界遺産一覧表への記載の可否が決定される。登録勧告で世界遺産への道も開け、地域活性化に大いに寄与できるものである。