長崎市の今後想定される主な大型事業の一つである「端島(軍艦島)整備事業」は、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口ト関連地域について」を、平成27の世界遺産登録を目指し推薦書の正式版がユネスコへ提出されました。今年夏頃に予定されている、国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査を経て、平成27年のユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が決定される。現在、端島(軍艦島)の整備は、平成26年1月に端島を含む高島炭鉱の史跡指定に向けた意見具申を文化庁へ行い、「護岸」「生産施設」「居住施設」など歴史的価値や産業遺産としての景観的価値、現時点での劣化状況などを勘案し、保存整備の優先順位を付ける作業が行われる。イコモスの現地調査までに、保存管理の基本方針、保存管理上の課題と対策、維持管理の方法、現状変更の取扱方針及び基準等を定める「保存管理計画」を7月までに策定する。
また、平成26年4月からは、世界遺産推進室を総務局長直下の組織に再編し、長崎市の重点プロジェクトの一つとして世界遺産登録に向け万全の準備を進めている。昨年末発表された、端島(軍艦島)整備事業は、最低限必要となる護岸工事などを想定し約10億円、事業期間は平成26年度から平成31年度の予定としている。しかし、平成26年3月に文化庁に提出された、概算費用は5つのパターン(最大158億円、151.1億円、50.2億円、25.7億円、11億円)が2月議会の中で修正報告され、詳細積算は平成27年度までに策定される「整備活用計画」までに実施される。平成26年度の世界遺産関連の予算は、長崎エリア構成資産(8資産)の一つである高島炭鉱(高島炭鉱・端島炭鉱)の保存管理の計画等の策定費、今年夏頃に予定されている国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査の対応などの活動を行なう登録推進事業費など約6,945万円、遺構確認や発掘調査及びイコモスの現地調査に対応するため調査ルートの整備を行なう端島炭鉱遺構調査ルート整備工事費2,200万円などが計上されている。