前日に続き、国民民主党沖縄・九州ブロック地方自治体議員フォーラムの概要について掲載する。研修会の講義Ⅰでは、組織委員長の足立信也参議院議員より「国民民主党の現状と課題」のテーマのもと、2018年度補正予算について、歳出は大阪北部地震、7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震などの復旧・復興に7,275億円、公立小中学校へのエアコン設置、ブロック塀改修等1,081億円、今後の災害対応を勘案した予備費の追加に1,000億円など9,356億円が計上されている。歳入は建設公債6,950億円、2017年度決算剰余金の一部2,364億円で、2018年度一般会計予算の総額は98兆6,484億円となっている。2019年10月の消費税10%への引き上げについて、消費税率引き上げの際に使途を教育目的にも拡大、複数税率導入を前提にした消費税率引き上げは認めない、給付付税額控除など基礎的所得の保障など国民民主党のスタンスとしているとの見解が示された。
次に、講義Ⅱでは、岩田正嗣氏(長崎県文化観光国際部次長)より「長崎県の世界遺産への登録と今後の課題について」のテーマのもと、ユネスコ3大世界遺産は世界(文化・自然)遺産、世界無形文化遺産、世界の記憶(世界記憶遺産の事業がある。世界遺産とは、現代を生きるすべての人々が共有し、未来に引き継いでいくべき人類共通の「たからもの」、ユネスコ世界遺産委員会において、資産が国際基準に照らして世界遺産としての価値(顕著な普遍的価値)があると認められること、有効な保存管理がされることが必要条件である。世界遺産の本来の目的は、資産(文化財)の恒久的な保護・保存であるが、世界遺産登録を通して地域の歴史、資産の価値を再認識し、地域住民に自信と誇りが生まれる。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、平成19年1月「暫定一覧表へ長崎の教会群とキリスト教関連遺産として登録」、平成27年1月「推薦書提出」、平成27年9月「イコモス現地調査」が行われ、イコモスより「価値証明不十分」として指摘され、平成28年2月に「教会群の推薦を取り下げ」、イコモスのアドバイザーの助言を受け再度推薦書を見直し、2世紀以上にわたるキリスト教「禁教政策の下で密かに信仰を伝えた人々の歴史」を物語る他に例を見ない証拠として提出、平成30年6月世界遺産登録が決定したとの講義があった。夕食懇親会では、県ブロックの紹介があり盃を重ね親睦・交流を深め、翌日は世界遺産に登録された「出津教会堂」「大野教会堂」など視察が行われた。