長崎歴史文化博物館・国立歴史民俗博物館等は、2月18日から4月2日にかけて長崎歴史文化博物館3階企画展示室(立山1丁目)において「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」を開催、2月17日15時から「開会式・内覧会」が行われた。長崎・出島のオランダ商館医シーボルトは、江戸時代の日本に近代的な医学を伝える一方で、2度にわたる来日で日本の自然や生活文化に関わる膨大な資料を収集し、ヨーロッパに持ち帰った。シーボルトによる日本研究は広く知られているが、収集コレクションをもとに日本をテーマとする展示を行ったことにはほとんど紹介されていない。
本展覧会では、ドイツ・ミュンヘン五大陸博物館が所蔵する「シーボルト・コレクション」、シーボルトの末裔にあたるフォン・ブランデンシュタイン家所蔵のシーボルト関係資料からシーボルトが見せたかった日本像を再構成し、ミュンヘンから里帰りした約300点の作品で「日本博物館」構想を再現している。シーボルトは日本滞在時、禁制資料の持ち出しで1829年に国外追放になったが、1829年に再来日、新たに資料を収集し、帰国後、オランダやドイツの各都市で日本のコレクション展を開き、「日本博物館」の実現を構想していたという。
特別展では、アムステルダムでの日本展示のシンボルであった「花鳥図衝立(江戸時代後期)」、鳴滝塾と確認された「家屋模型」、その学名は愛するおたきにちなんでつけられた「日本植物誌(図版)オタクサ(あじさい)」、川原慶賀筆の「人物画帳川越人足」、長崎くんち衣装、仏像や庶民の生活品など長崎初公開の資料が並んでいる。観覧料(税込み)は、大人1,200円(前売1,000円)、高大生・シニア(70歳以上)700円(前売500円)、中学生以下は無料となっている。シーボルトのコレクションは、全てが日本の宝であり日本の歴史を物語っている。