被爆地長崎は8月9日、69回目の原爆の日を迎え、長崎市の平和公園では「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が、県内各地で犠牲者の冥福を祈る慰霊祭や追悼行事が営まれ、小中高校では平和集会が開かれるなど「祈りと誓いの日」となった。平和祈念式典では、源城市議会議長より「一発の原子爆弾で長崎のまちは一瞬に壊滅し7万4千人もの尊い命を奪い、被爆者は癒えることのない傷を負い、今なお原爆後障害や心の不安に苦しみ続けている。被爆地長崎から世界の人々と共に核兵器のない世界を実現するために新たに決意する」との式辞が、被爆代表者の城臺美彌子さんは「集団的自衛権の行使容認は、日本国憲法を踏みにじる暴挙です」と事前の原稿になかった言葉で、平和への誓いを訴えた。
長崎では8月9日を前後に、平和団体・市民団体、宗教団体・地域・職域等で慰霊祭や世界大会・全国集会の祈念式典等の関連行事が開催され、「核兵器廃絶と恒久平和」のメッセージを世界に発信した。現在、被爆者健康手帳所持者(被爆者)は、3月末で19万2719人と20万人を割り、平均年齢は79.44歳で80歳に達しようとしている。県内の被爆者は5万269人(前年比▲2468人)で長崎市内の被爆者の平均年齢は78.93歳、原爆死没者名簿登載者数は平成26年8月9日現在165,409人となっている。被爆者の減少と高齢化が進むなか、原爆の体験や恐ろしさを、語り聞かせてくれる人が少なくなっている。被爆者の思いを次世代へ繋げるとともに悲惨な戦争を繰り返してはならない。今年の平和式典は、台風11号の影響で設置されていた大テントを急遽撤収し執り行われた。