長崎市議会観光客受入対策特別委員会(副委員長班)は、7月24日から26日にかけて東京都港区・富山県南砺市を訪問し、「第2次港区観光振興ビジョン後期計画の取り組み状況について」、「世界遺産を活用した観光について(五箇所山合掌造り集落)」の行政調査を行った。港区役所では、第2次港区観光振興ビジョン(前期平成24年度~26年度、後期平成27年度~29年度)」を策定し、港区観光客数4,582万人の約10%(450万人)アップを目指して計画事業を進めている。具体的には、効果的観光プロモーションの実施体制整備による「区内の観光資源、各種イベント等、情報収集機能の充実・管理と発信手段の構築」、「観光客目線に立ったマスメディア等との連携による情報発信」、世界的な観光都市としての環境づくり、観光資源の発掘・活用と観光ルートの創出、安全・安心で快適な港区観光の実現などの取り組みについて説明を受けた。
南砺市役所では、平成7年12月9日に世界文化遺産に登録された「白川郷・五箇山の合掌造り集落」を活用した観光について調査を行った。菅沼合掌造りの集落は、山あいを流れる川のわずかな河岸段丘にある現在約10戸の家屋が残っている。豪雪地帯という厳しい自然に耐える住まいとして、養蚕や塩硝づくり(火薬の原料)、生活の糧となる仕事の場として、古くからの日本の山村風景が現在まで残っている。世界遺産登録に向けては、10数年前から各自治体では活発な取組みや運動が行われているが、五箇山菅沼合掌造りは文化庁から市教育委員会に対し、関係書類を提出してほしいとの要請があり、世界遺産に登録されたとの説明があった。この小さな集落は、昭和45年に国指定史跡(重要伝統的建造物群保存地区)となっており、土地・建物・畑など指定を受けた状態で残す必要がある。昔ながらの静かで懐かしい素朴な雰囲気を今でも残し、今なお人々が生活している。