平成26年長崎市議会におけるこの1年を振り返って見た。特記すべき案件は、2月議会において上程された「市公会堂条例を廃止する条例」、「市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」が継続審査になり、新庁舎建設事業費、コンベンション施設整備推進費などの一般会計予算が減額修正された。6月議会では、公会堂廃止条例は公会堂機能を有する新たな文化施設を造るとしていた方針から、県庁舎跡地に代替施設を建設したいと表明し、議会は「不退転の決意を持って県と協議を積極的に推進する」ことなどを求めた付帯決議を付して可決し、来年3月末の廃止が決まった。また、市役所の位置を定める条例は、新市庁舎整備に関する予算を計上せず条例の審査は困難。大型事業のMICEを優先したい」など撤回理由が説明され承認された。
次に、MICE施設(コンベンション)関連は、9月議会においてJR長崎駅西側の土地約2万平方㍍の土地を68億円で購入すると提案されていたが、市の財政負担に対する不安を議会で払拭できず、利用者数や経済効果も不透明で明確な確証がない、議会や市民に対する十分な説明不足等が挙げられ否決されていた。11月議会では、「MICEにかかわらず交流人口拡大や地域経済の活性化に重要な土地」として、「交流拠点施設用地」とする予算案が提出され審査された。最終本会議では、「MICEにかかわらず将来の利活用について十分検討すること」、「検討経過についても逐次説明し十分な理解が得られるよう」などを求めた付帯決議を付して賛成多数で可決された。今後、提案する際の案件は、否決された理由などを重く受け止め、行政サイドは更なる丁寧な説明で、「長崎の将来のまちづくり」に繋げてもらいたい。