長崎市議会は、6月26日「観光客受入対策特別委員会」を開催し、「環長崎港夜間景観向上基本計画」について説明を受けたのでその概要を掲載する。基本計画は、長崎の歴史や文化を感じ、市民に愛されるふるさとの風景となる夜景づくりを通じて「世界一の夜景都市」となることを目指し、遠景及び中・近景の観点から必要な取り組みについて体系的にまとめ、戦略的に夜間景観の向上を図るための基本的な考え方を示すことを目的としている。対象区域は、主要な視点場である稲佐山並びに鍋冠山展望台からの視認される環長崎港一帯の市街地とし10地区が選定され、まちの個性を「面」で魅せる斜面地の灯りの整備、水際線の顕在化を図り、まちの個性を「点と線」で歩いて楽しむランドマークの灯りの整備、軸線の灯りの整備、「長崎における都市照明のための7つの視点」を基に基本原則の設定など取り組むべき方向性が示されている。
7つの視点は、①快適な陰影(適光適所の心地よさを追求する)②適正な色温度対比(まちの個性に寄り添う)③グレアフリー(目に優しく美しい景観をつくる)④鉛直面の明るさ(まちなみを印象付ける)⑤演色性への配慮(まちの表情を豊かに見せる)⑥高効率証明器具(エコロジカルで経済的に照らす)⑦オペレーション(季節や時間を感じさせる)としている。遠景の夜景は、長崎らしい街路照明(長崎灯)の整備、アクセントとなる街路照明整備、ランドマークのライトアップなどで斜面地市街地の明かりの整備することとし、水際に近い建物のライトアップ、水際に近い植栽の整備とライトアップ、護岸を活用した手摺照明などで水際線の顕在化を図るとしている。中・近景の夜間景観は、「歩いて楽しいまち」を夜間においても実現するため、各地区の景観的な特徴に基づき、各エリアのコンセプトを設定し、「点と線」による魅力的な夜間景観委づくりに取り組むとしている。
具体的には、国の景観まちづくり刷新支援事業を活用し、基本計画に基づき夜景のさらなる魅力向上を図るため、東山手・南山手エリア、館内・新地エリア及び平和公園エリアにおける整備箇所選定、照明器具の選定及び配置等の調査業務・設計業務費4,900万円が6月議会に計上され本日可決される。また、出島地区のライトアップ整備を出島表門橋架橋にあわせ、中島川公園側から白塀の照明器具整備、出島史跡内の照明器具整備(97個)、照明の制御装置整備等5,000万円計上され本年7月~11月上旬までに工事が進められる。併せて、被爆75周年を前に平和公園において園路の舗装改修等を行い、公園利用者の利便性向上と観光都市長崎の魅力向上を図るとし、平成29年度から平成31年度まで総事業費約3億円かけて整備される。宿泊滞在型観光の推進は、世界・日本新三大夜景都市、夜景観光先進としての魅力向上で、国内外からの宿泊滞在観光客の誘致及び観光消費額の増加が期待される。